Googleフォームで予約システムを作る方法【カレンダー連動あり】

「無料で予約システムを作りたい」「予約枠の管理をもっと楽にしたい」
そんなときに便利なのが Googleフォーム × Googleカレンダー を使った予約管理です。

Googleフォームは本来アンケート用のツールですが、入力項目を工夫したり、Google Apps Script（GAS）と連動させることで、簡易的な予約システムとして運用することができます。

すべて無料で実現可能です。

専門的な予約システムを導入すると月額費用がかかりがちですが、Googleフォームなら 個人事業・サロン・スクール・相談窓口でも十分使えるレベルの予約管理 を作れます。

この記事では、

• Googleフォームで予約フォームを作る方法
• 重複予約を防ぐ方法
• Googleカレンダーと連動する設定
• 自動返信メールの設定
• 実用的な予約フォームのテンプレ

まで、初心者でもわかるように丁寧に解説します。
「無料で使える予約システムを作りたい」という人は、この記事を読みながらそのまま作れば完成します。

Googleフォームで予約システムは作れる？

結論から言うと、Googleフォームだけで完全な予約システムを作ることはできません。
ただし、Googleフォーム＋Googleスプレッドシート＋Googleカレンダー＋GAS（Google Apps Script） を組み合わせることで、

• 予約の受付
• 自動返信メール
• 予約内容の一覧管理
• カレンダーへの自動登録
• 重複予約の防止

といった 実用レベルの予約管理システムを無料で構築することができます。

最低限の「予約受付フォーム」は作れます。

Googleスプレッドシート・GASを使えば“多機能予約管理”が実現可能

Googleフォームとスプレッドシートを連携し、GAS（Google Apps Script）を少し追加することで、下記が可能になります。

重複予約を自動で止める

同じ日時に予約が入っていたら受付停止。

Googleカレンダーに自動で予定を追加

ダブルブッキング防止 & 確認が楽。

予約者に自動返信メールを送る

受付完了メールを即時返信。

空き枠を自動で判定して表示

選択式で「空いている時間」だけ出す。
つまり、無料かつ手軽に運用できる予約管理ツールとして十分実用的です。

Googleフォームで予約フォームを作る基本手順

Googleフォームを使った予約システムづくりの第一歩は、予約に必要な情報を正しく入力してもらうフォームを作成することです。
ここでは、もっともシンプルな「予約受付フォーム」を作る手順を解説します。

1.Googleフォームを新規作成する

1. Googleフォームを開く
2. 「空白」または「テンプレートから作成」を選ぶ
3. フォームのタイトルと説明文を入力する

2.予約に必要な質問項目を作成する

予約受付に必要な情報は、最低限以下の通りです。

（1）名前

• 種類：短文
• 必須：オン

（2）メールアドレス

予約連絡などに必須となる項目です。

• 種類：短文
• 必須：オン
• 「回答の検証」→「メールアドレス」で形式チェックを入れると確実です。

（3）予約希望日

例）種類：日付
Googleフォームの「日付」形式を使えば、カレンダー入力ができます。

（4）予約希望時間

例）

• 種類：時刻
  または
• 種類：プルダウン（複数の候補時間がある場合）

※「××時〜××時」といった予約枠を作る場合は、プルダウン形式がわかりやすいです。

（5）利用内容・メニュー

飲食店・美容院・教室など、予約内容が複数ある場合に使います。

• 種類：プルダウン / ラジオボタン
• 必須：オン

（6）自由記述（任意）

• 種類：段落
  例：特記事項や質問などを記入してもらう欄

3.回答設定を整える（おすすめ設定）

Googleフォーム右上の「設定」から以下を設定します。

メールアドレスを収集→予約連絡に必須
確認メール（自動返信）をオン→「送信者に回答のコピーを送信」をオンにすると、フォーム回答がメールで届く

後でGASを使えば「完全な予約完了メール（カスタム）」も送れます。

4.Googleスプレッドシートと連携する

フォームの「回答」タブ → 「スプレッドシート作成」を選択すると、

• 予約一覧の管理
• 重複予約チェック
• カレンダー自動登録

などが可能になります。
予約システム構築では必須で必要です。

5.フォームを公開する

• 画面右上「送信」をクリック
• リンクをコピー
• QRコード・メール・SNS・サイトに貼り付けて公開

すぐに予約受付がスタートできます。

次のステップで多機能な予約システムになる

次のパートで解説するように、

• 重複予約の防止
• Googleカレンダーへの自動登録
• 予約完了メールの自動送信

などを追加すると、本格的な “無料の予約システム” に進化します。

Googleフォーム × スプレッドシート × Apps Script で予約システム化する手順

oogleフォーム単体では「空き枠の管理」や「自動で枠を非表示にする」などの機能はありません。
しかし、ここから紹介するステップを追加することで、実際に予約枠と連動した “本格的な予約システム” として運用できる ようになります。

ステップ①：Googleフォームの回答をスプレッドシートに連携する

できるようになること

• 予約データをスプレッドシートに保存
• 集計・満席判定が可能に
• スクリプト連携の準備完了

手順

1. Googleフォームを開く
2. 上部タブの「回答」をクリック
3. 右上の 緑のスプレッドシートアイコン をクリック
4. 次の画面で以下を選ぶ
   新しいスプレッドシートを作成 →「作成」
5. 自動的にスプレッドシートが開き、回答が保存されるようになる

ステップ②：予約枠をスプレッドシートで管理する

できるようになること

• 空き枠がリアルタイムで確認できる
• 定員に達したら「満席」判定ができる

手順

1. 回答が保存されているシートと同じファイル内で下部にある「＋」をクリック → 新しいシートを作成
   ※名前は「予約枠」などに変更しておくと管理しやすい
2. 次のような表を作成

日付	時間	定員	予約数	空き状況

3. 「予約数」列に COUNTIFS を入れる
   （例：A列が日付、B列が時間、回答シートが「フォームの回答 1」）

=COUNTIFS('フォームの回答 1'!B:B, A2, 'フォームの回答 1'!C:C, B2)

・A2＝管理シート側の日付
・B2＝管理シート側の時間

4. 「空き状況」に IF 関数を入れる

=IF(D2>=C2,"満席","空きあり")

これで予約が入るたびに自動更新されるようになります。

ステップ③：定員管理・満席時の受付ストップ（Apps Script 設定）

できるようになること

• フォーム送信前に「満席です」と判定する
• 満席になったら自動拒否

手順

1. スプレッドシートを開く
2. メニューの「拡張機能」→「Apps Script」を選択
3. 新規プロジェクトが開いたら以下を貼り付ける

（※実用できるシンプルな例）

function onSubmit(e) {
  const sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet();
  const formSheet = sheet.getSheetByName('フォームの回答 1');
  const reserveSheet = sheet.getSheetByName('予約枠');

  const submittedDate = e.namedValues['日付'][0];
  const submittedTime = e.namedValues['時間'][0];

  const data = reserveSheet.getDataRange().getValues();

  for (let i = 1; i < data.length; i++) {
    if (data[i][0] == submittedDate && data[i][1] == submittedTime) {
      const capacity = data[i][2];
      const reserved = data[i][3];

      if (reserved >= capacity) {
        // 満席の場合：管理者に通知して受付拒否
        MailApp.sendEmail(
          e.namedValues['メールアドレス'][0],
          '【予約エラー】満席のため受付できません',
          '申し訳ありません。選択された日時は満席です。別の日時をお選びください。'
        );
        formSheet.deleteRow(formSheet.getLastRow());  
      }
    }
  }
}

4. 保存 → トリガーの設定へ進む
5. 「トリガーを追加」→イベントの種類を フォーム送信時 に設定
6. 権限を許可して完了

これで満席時の受付ストップが機能します。

ステップ④：Googleカレンダーへ自動登録

できるようになること

• 予約が入ると自動でカレンダーに予定追加
• 管理者はスケジュールだけで状況把握できる

手順

1. Apps Script のエディタを開く
2. 先ほどのスクリプトに追記 or 新規関数を追加

function addToCalendar(e) {
  const submitted = e.namedValues;
  const calendar = CalendarApp.getCalendarById('あなたのGoogleカレンダーID');

  const date = new Date(submitted['日付'][0] + ' ' + submitted['時間'][0]);

  calendar.createEvent(
    '【予約】' + submitted['名前'][0],
    date,
    new Date(date.getTime() + 60 * 60 * 1000), // 1時間
    {description: submitted['メールアドレス'][0]}
  );
}

3. トリガー追加 → フォーム送信時 を選択

ステップ⑤：予約者への確認メールを自動送信

手順

1. Apps Script に以下を追加

function sendMailToUser(e) {
  const submitted = e.namedValues;

  const body = `
${submitted['名前'][0]} 様

ご予約ありがとうございます。
以下の内容で受付いたしました。

-----------------------------------
■ 日付：${submitted['日付'][0]}
■ 時間：${submitted['時間'][0]}
■ お名前：${submitted['名前'][0]}
■ メール：${submitted['メールアドレス'][0]}
-----------------------------------

当日お待ちしております。
  `;

  MailApp.sendEmail(
    submitted['メールアドレス'][0],
    '【ご予約完了】ありがとうございます',
    body
  );
}

2. トリガー追加 → フォーム送信時に実行設定

ステップ⑥：管理者へ通知メールを送信

手順

function sendMailToAdmin(e) {
  const admin = 'あなたのメールアドレス';

  MailApp.sendEmail(
    admin,
    '【新規予約】通知',
    '新しい予約が入りました。スプレッドシートを確認してください。'
  );
}

同じくトリガー設定を追加するだけです。

まとめ

Googleフォームは単体では予約システムとして不十分ですが、Googleスプレッドシート × Googleカレンダー × Apps Script（GAS） と連動させることで、

• 空き枠の自動管理
• 重複予約の防止
• カレンダー自動登録
• 予約者・管理者への自動メール
• 履歴の一元管理

といった 実用レベルの予約管理システム を無料で構築できます。

コード量も少なく、初心者でも十分扱える内容です。
個人事業・サロン・スクール・相談窓口など、小規模運営なら実務で問題なく使えます。

この記事の手順どおりに進めれば、誰でも「本格的な予約システム」を無料で作ることができます。