Googleフォームの自動返信メールが届かない原因と対処法

Google

Googleフォームで「自動返信メール」を設定したはずなのに、なぜか届かない・送られない・迷惑メールに入る と悩む人は非常に多いです。

とくに以下のようなケースはよく起こります。

  • 回答者に確認メールが送られていない
  • Gmail には届くのに、キャリアメール(docomo/au/Softbank)には届かない
  • Apps Script を使った自動返信が動かない
  • フォーム側の設定ミスでメールアドレスが取得できていない
  • GAS エラーで送信自体が止まっている

実は Googleフォームの自動返信メールは 仕様が複雑で、少しの設定ミスで届かなくなる仕組み になっています。

この記事でわかること
  • 自動返信メールが届かない原因
  • 原因ごとの具体的な対処法
  • 確実に届く Apps Script(コピペ可)

この記事の手順をそのまま実践するだけで、ほとんどの「届かない」問題は解決できます。

  1. Googleフォームの自動返信メールが届かない主な原因とは?(結論)
    1. ① Googleフォーム側でメールアドレスを取得できていない
    2. ② Googleフォーム標準の「回答のコピーを送信」がオフになっている
    3. ③ Apps Script(GAS)のエラーで送信処理が止まっている
    4. ④ 受信者側の問題(迷惑メール/キャリアメール拒否)
    5. ⑤ フォーム設定・GAS・通知メールの仕様のどれかに引っかかっている
    6. まとめ(結論)
  2. Googleフォーム側の設定ミスによる不達(原因①)
    1. 1. 「メールアドレスの収集」が OFF になっている
    2. 2. メールアドレス入力欄を“必須”にしていない
    3. 3. 回答後の自動返信機能(アドオン)に必要な項目が連動していない
    4. ✔ よくある間違いまとめ(ここだけ見ればOK!)
  3. 原因②:回答者のメール入力ミスによる不達
    1. 1. ドメイン部分のスペルミス
    2. 2. 前半部分(@より前)の誤入力
    3. 3. そもそもメールアドレスを入力していない
    4. 4. フリーメール以外(会社メールなど)の独自ドメインでエラーが出る
    5. 対策:メール入力ミスを防ぐ方法
      1. 1. 「メールアドレス形式のバリデーション」を必ずONにする
      2. 2. メールアドレスは「自動収集」を使う(もっとも確実)
      3. 3. メール欄を“2回入力”させるフォームも効果的
  4. 原因③:メールサービス側の受信ブロックや迷惑メール振り分け
    1. 1. Gmail・Yahoo!メールなどの「迷惑メール」判定
    2. 2. 携帯キャリアメール(docomo, au, SoftBank)の受信拒否設定
    3. 3. 企業メール・学校メール(独自ドメイン)のセキュリティ
    4. 対策:受信ブロックを防ぐ方法
      1. 1. 「迷惑メールフォルダ」を確認してもらう
      2. 2. “受信許可リスト” に送信元メールを追加してもらう
      3. 3. HTMLメールの場合はテキスト形式に変更する(GAS側)
      4. 4. 企業メール・学校メールを使うユーザーには別メール推奨
  5. 原因④:GAS(Google Apps Script)の設定ミス・コードエラーによる不達
    1. 1. トリガーが正しく設定されていない(最も多い原因)
      1. ✔ 対策
    2. 2. 権限不足によりメール送信がブロックされている
      1. ✔ 対策
    3. 3. コード内のメール送信部分が間違っている
      1. ✔ 対策
    4. 4. 毎日送信上限に達している(GASの仕様)
      1. ✔ 対策
    5. 5. スクリプトのエラーが出て停止している
      1. ✔ 対策
    6. まとめ:GASの不達は“設定ミス・トリガー問題”が大半
  6. 原因⑤:Google側の仕様変更・一時的な障害による不達
    1. 1. Google側でメール送信に関する仕様変更が行われた場合
      1. ✔ チェック方法
    2. 2. Googleサーバーの一時的な障害による不達
      1. ✔ 確認ポイント
    3. 3. 数時間〜1日で自然に復旧することが多い
    4. 4. Google側の障害が疑われるときの対応
      1. ✔ ① ステータスダッシュボードを確認
      2. ✔ ② GASの「再認証」を試す
      3. ✔ ③ 時間を置いて再テスト
      4. ✔ ④ 別アカウントでテスト送信
      5. ✔ ⑤ 代替手段を一時的に利用
    5. 5. 仕様変更・Google障害は“設定が正しいのに届かない”ときに疑う
    6. まとめ:GASやフォームの不達はGoogle側の障害も疑うべき
  7. 原因⑥:ネットワーク・端末側の問題
    1. よくあるケース
      1. ① 電波状況が悪く、送受信が遅延している
      2. ② メールアプリがバックグラウンドで停止している(スマホ)
      3. ③ 端末のストレージ容量不足
      4. ④ メールアプリのキャッシュ破損・古いバージョン
    2. 改善策(回答者向けに案内できる内容)
  8. 記事のまとめ
    1. 最終的な結論

Googleフォームの自動返信メールが届かない主な原因とは?(結論)

結論から言うと、Googleフォームで自動返信メールが届かない原因は、次の 5つのいずれか であることがほとんどです。

① Googleフォーム側でメールアドレスを取得できていない

自動返信メールは、「回答者のメールアドレス」 を取得していなければ送れません。

よくあるミス
  • メールアドレスの質問を作っていない
  • 「メールアドレスを収集する」がオフのまま
  • Google ワークスペースの制限で社内以外のアドレスを収集できない

この設定ができていないと、送信処理自体が発動しません。

② Googleフォーム標準の「回答のコピーを送信」がオフになっている

フォームの基本機能である「回答者に回答のコピーを送信」をオンにしていないケース。

② Googleフォーム標準の「回答のコピーを送信」がオフになっている

Googleフォーム単体で自動返信メールを使う場合は、必須設定です。

③ Apps Script(GAS)のエラーで送信処理が止まっている

GASを使ってカスタムメールを送っている場合は、

  • スクリプトのエラー
  • トリガーが動いていない
  • 権限が再承認されていない
  • 送信制限を超えている(GASは1日100件など制限あり)

といった理由で「送られない」ことがあります。
GASを使っている場合、ここが最も注意が必要です。

④ 受信者側の問題(迷惑メール/キャリアメール拒否)

メールは「送った側」ではなく受信者側の設定 でブロックされることが非常に多いです。
とくに以下は高確率で弾かれます。

  • docomo / au / SoftBank のキャリアメール
  • iCloudメール
  • 会社メール(セキュリティ強め)

特にキャリアメールは、Gmail → キャリアメール の到達率が極端に低いのが現実です。

⑤ フォーム設定・GAS・通知メールの仕様のどれかに引っかかっている

Googleフォームは、

  • 標準機能(回答コピー)
  • アドオン(Form Notifications 等)
  • Apps Script(自作スクリプト)

など、複数の方法で自動返信が作れますが、どれか1つでも設定がズレていると届かない という仕様です。
複数の仕組みを併用していると、さらに混乱が起きます。

まとめ(結論)

Googleフォームの自動返信メールが届かない原因は、下記に集約されます。

  • メールアドレスを正しく取得できていない
  • 標準機能の設定が不足している
  • Apps Script のエラー・トリガー不備
  • 受信者側でブロックされている
  • システム仕様の理解不足

特に GASのエラー キャリアメールの拒否 は最も多い原因です。

Googleフォーム側の設定ミスによる不達(原因①)

Googleフォームの自動返信メールが届かない原因のうち、最も多いのが フォーム本体の設定が誤っているケース です。
特に次の3つは “あるある” なので、必ずチェックしましょう。

1. 「メールアドレスの収集」が OFF になっている

自動返信メールを送るためには、回答者のメールアドレスを収集する必要があります。
しかし Googleフォームは初期設定では メールアドレスを自動で取得しません

確認方法
  1. Googleフォームを開く
  2. 上部タブの「設定」をクリック
  3. 「回答セクション」 → 「メールアドレスを収集する」 を「確認済み or 回答者からの入力」にチェック
「メールアドレスの収集」が OFF になっている

これが OFF の状態だと、どれだけ正しく自動返信設定をしていても絶対に届きません。

2. メールアドレス入力欄を“必須”にしていない

「メールアドレスの収集」で自動取得せずに、手入力のテキスト欄を自分で追加しているケースも多いです。
その場合、フィールドを必須にしていないと空欄で送信できてしまうため、当然メールも送れません。

確認ポイント
  • メールアドレス入力欄の「必須」が ON になっているか
  • 入力チェック(メール形式のバリデーション)が設定されているか

3. 回答後の自動返信機能(アドオン)に必要な項目が連動していない

Googleフォームの自動返信メールは「標準機能ではない」ため、以下のようなアドオンを使用します。

  • Form Notifications
  • Email Notifications for Google Forms
  • Autocrat
  • formMule
  • Yet Another Mail Merge(YAMM) など

これらを使う場合、アドオンの設定画面で

  • どのフィールドのメールアドレスに送るか
  • メール本文に差し込む項目は何か

を指定します。

ここが 正しく紐づいていない(フィールド名が間違っている) と、送信されません。

特に注意
  • 質問のタイトルを後から変更すると、アドオン側が古い項目名を参照したままになる
  • 複製したフォームを使うと、アドオン設定が引き継がれておらず送信されない

✔ よくある間違いまとめ(ここだけ見ればOK!)

よくあるミスどうなる?
メールアドレスの収集がOFF絶対届かない
メール欄が必須になっていない空欄送信 → メール届かない
メール形式のバリデーションなし入力ミス → 届かない
アドオンの対象フィールド名がズレているアドオンがメールを送れない
フォームを複製したアドオンの設定が引き継がれず届かない

原因②:回答者のメール入力ミスによる不達

自動返信メールが届かない理由として意外と多いのが、回答者自身がメールアドレスを間違えて入力しているケース です。
フォーム作成者の設定が完全でも、メールアドレスが間違っていれば当然メールは送れません。

特によくある入力ミスは次の通りです。

1. ドメイン部分のスペルミス

メールアドレスでもっとも多い誤入力が、@以降のドメインの間違いです。

よくあるミス例
  • gmil.com(※「a」が抜けている)
  • gmail.con(※「m」を「n」にミス)
  • docomo.co,jp(※「.」が「,」になっている)
  • icloud,com(※カンマ誤入力)

これは手入力のフォームでは本当によく起きるミスで、どれだけ送信側が設定しても防げません。

2. 前半部分(@より前)の誤入力

ドメインではなく、前半の文字列を間違えるパターンもあります。

よくあるパターン
  • 1文字抜けている
  • 「-」と「_」を間違える
  • 大文字小文字の混同
  • スマホの予測変換で意図しない文字が入る

スマホ入力が多いフォームでは特に起きやすいです。

3. そもそもメールアドレスを入力していない

「必須」の設定がされていなければ、空欄のまま送信できてしまいます。
この場合も当然メールは送れません。

4. フリーメール以外(会社メールなど)の独自ドメインでエラーが出る

回答者が会社のメールや学校のメールなど 独自ドメイン を使っている場合、

  • セキュリティが厳しい
  • 外部からの自動送信メールをブロックする

といった理由でメールが届かないことがあります。
回答者には問題がなくても、自動返信メール側(Gmail)が弾かれるケースもあるため注意が必要です。

対策:メール入力ミスを防ぐ方法

フォーム側でできる対策は次の通りです。

1. 「メールアドレス形式のバリデーション」を必ずONにする

Googleフォームのテキスト欄では、「記述式」 → 「回答の検証」 → 「メールアドレス」 を選ぶことで、example@domain.com のような形式でないと送れなくなります。

2. メールアドレスは「自動収集」を使う(もっとも確実)

「メールアドレスの収集」をONにすると、回答者は Googleアカウントでログインして回答する仕様になります。
これにより:

  • 入力ミスゼロ
  • メールアドレス確実
  • 個人情報の信頼性が高い

とメリットが大きいです。
※ただし、ログイン必須になるため、匿名回答ができません。

3. メール欄を“2回入力”させるフォームも効果的

入力欄を2つ用意して一致チェックをさせるのも有効です。

  • メールアドレス
  • メールアドレス(確認用)

地味ですが、誤入力をかなり減らせます。

原因③:メールサービス側の受信ブロックや迷惑メール振り分け

Googleフォームの自動返信メールが届かない原因として、回答者が使っているメールサービス側でブロックされている というケースも非常に多く発生します。

送信側(フォーム作成者)の設定が正しくても、受信側のセキュリティ設定や迷惑メールフィルターによってメールが届かない・迷惑メールフォルダに入ることは日常的にあります。

1. Gmail・Yahoo!メールなどの「迷惑メール」判定

Googleフォームの自動返信メールは、GAS や外部ツールを使って送信している場合、メールの形式や本文内容によって 迷惑メール判定されやすい ことがあります。

よくある迷惑メール判定の原因
  • 本文が短すぎる
  • URLが多すぎる
  • HTMLメールが簡素すぎる
  • 送信元アドレスが信頼されていない
  • 同じ内容のメールを大量送信している

これらの条件に当てはまると、Gmail・Yahoo!メールなどは迷惑メールフォルダへ自動で振り分けます。

2. 携帯キャリアメール(docomo, au, SoftBank)の受信拒否設定

キャリアメールはセキュリティが非常に強く、自動送信メールを受け付けない設定になっている ことが多いです。

特に多いケース
  • ドメイン受信設定が「携帯会社以外拒否」にしてある
  • PCメールを受信しない設定になっている
  • URLつきメールを拒否している
  • 迷惑メールフィルターが強モードになっている
  • なりすまし防止設定がONになっている

この場合、正しいメールアドレスでも 完全に届かない(不達) という現象が起きます。

3. 企業メール・学校メール(独自ドメイン)のセキュリティ

企業や学校のメールサーバーには、迷惑メールをブロックする強力なフィルターがかかっていることがあります。

起きやすい症状
  • 「外部からの自動送信」を拒否している
  • HTMLメールが弾かれる
  • 添付ファイルがあると拒否される
  • SPF / DKIM に合致しないメールを拒否する

Google Apps Script の送信は Gmail のサーバーを経由するため、独自ドメインの厳しいメールサーバーには拒否されやすい のが特徴です。

対策:受信ブロックを防ぐ方法

次の対策を回答者に案内するか、フォーム内に記載しておくと効果的です。

1. 「迷惑メールフォルダ」を確認してもらう

もっとも多い原因なので、まずこれを案内すると解決することが多いです。

2. “受信許可リスト” に送信元メールを追加してもらう

以下のような文言をフォームに載せておくだけで改善率が大幅に上がります。

※自動返信メールが届かない場合
「○○@gmail.com」からのメールを受信許可に設定してください。

キャリアメール利用者には特に必須です。

3. HTMLメールの場合はテキスト形式に変更する(GAS側)

キャリアメールは HTML メールを弾くことがあります。
GAS を使う場合、テキストメールに切り替えるだけで届くケースが多いです。

4. 企業メール・学校メールを使うユーザーには別メール推奨

フォーム説明文に、次のような一文を添えるとトラブルを防げます。

※企業メール・学校メールをご利用の方は、迷惑メール対策によりメールが届かない場合があります。
可能であれば Gmail / Yahoo!メール等をご入力ください。

原因④:GAS(Google Apps Script)の設定ミス・コードエラーによる不達

Googleフォームの自動返信メールは、「通知ツール」や「GAS(Google Apps Script)」を使って送るケースが多いですが、スクリプトの設定ミスやコードエラーが原因でメールが送信されない こともよくあります。

GAS は便利な反面、小さなミスがあるだけで 黙って失敗する 場合があるため注意が必要です。

1. トリガーが正しく設定されていない(最も多い原因)

GAS で自動返信メールを送る場合、「フォーム送信時」トリガーが必須です。

よくあるミス
  • トリガーが設定されていない
  • イベントタイプが「フォーム送信」ではない
  • 別ユーザーのアカウントで設定されている
  • 有効期限切れで無効化されている(Google側の仕様)

特に以下の通知が出ていると、トリガーは動いていません。

⚠ このアカウントではトリガーが無効になっています。
再度認証してください。

✔ 対策

  • GAS の「トリガー」画面を開き、「フォーム送信時」実行が作動しているか確認する
  • 無効化されている場合は再認証して有効化する
  • アカウント切り替えが発生する場合は、1つに統一

2. 権限不足によりメール送信がブロックされている

GAS は初回実行時に「このアプリが Gmail を送信する許可がありますか?」と確認されます。

しかし、

  • 初回の許可をしていない
  • 違うGoogleアカウントで認証してしまった
  • 企業アカウントでGmailの送信権限が制限されている

これらの場合、自動返信メールは送られません。

✔ 対策

  • GASエディタ > 実行 > 関数を選択 > 実行し、権限許可を完了
  • 「承認が必要です」メッセージが出たら必ず許可する
  • 企業アカウントの場合、Gmail送信権限が必要(管理者設定)

3. コード内のメール送信部分が間違っている

次のようなミスがあるとメールは送信されません。

  • メールアドレスが正しく取得できていない
  • MailApp.sendEmail() の書き方ミス
  • 変数名のタイプミス
  • 受信者(to)が空欄になっている
  • HTMLメールの書式エラー

特に多いのがこれ:

var email = e.namedValues["メールアドレス"];

実際はフォーム項目名が微妙にズレていて、email変数に何も入っていない(空) ケースが非常に多いです。

✔ 対策

  • Logger.log(e.namedValues); を使い、正しいキー名を確認する
  • メールアドレスが空の場合は送信しない処理を入れる
  • フォーム項目名の変更後は必ずキー名チェック

4. 毎日送信上限に達している(GASの仕様)

GAS は Gmail を使って送信しているため、1日に送信できるメール数に上限 があります。

送信上限の目安
  • 無料アカウント:100通/日
  • Google Workspace:1,500通/日ほど

フォーム回答が多い場合はすぐに制限に達し、送信上限を超えると GAS はエラーを吐かず単純にメールが送られなくなる ため非常に分かりにくい仕様です。

✔ 対策

  • 「Google Workspace」アカウントの利用を検討
  • 上限超過時はメール通知を止める処理を入れる
  • 外部メールサービス(SendGrid / MailerLite)を併用する

5. スクリプトのエラーが出て停止している

GAS はエラーが出ても気づかれにくく、知らない間に スクリプトが停止 していることもあります。

確認すべきポイント
  • エディタ上部の「実行ログ」にエラーが出ていないか
  • トリガー画面に「エラー」マークが出ていないか
  • GASのメアドに「トリガーが失敗しました」というメールが届いていないか

✔ 対策

  • エラー内容を確認し該当箇所を修正
  • 必要であれば try/catch でエラー処理を追加
  • メール送信部分を分解して動作確認する

まとめ:GASの不達は“設定ミス・トリガー問題”が大半

GAS で自動返信メールが届かない場合、ほとんどは次のいずれかです。

  • トリガーが無効になっている
  • メール送信の権限がない
  • メールアドレスを正しく取得できていない
  • コードにミスがある
  • 送信上限を超えている

上から順に確認すれば、ほぼ確実に原因が特定できます。

原因⑤:Google側の仕様変更・一時的な障害による不達

Googleフォームや Gmail、Apps Script(GAS)はGoogleのクラウドサービス上で動作しているため、「Google側の仕様変更」や「一時的な障害」によってメールが送信されないというケースが定期的に発生します。

これはユーザー側ではどうしようもない問題で、設定をどれだけ見直しても改善しないことがあります。

1. Google側でメール送信に関する仕様変更が行われた場合

Googleはセキュリティ強化のため、以下のような仕様変更を予告なく行うことがあります。

  • GAS のメール送信ルール変更
  • 外部サービスへの通知ルールの変更
  • Gmail のスパム判定アルゴリズム更新
  • フォームの回答制御に関するアップデート

特に最近はスパム対策が強化されており、

● 無料アカウントの送信制限
● 添付ファイルを含むメールが送れない
● 自動メールがスパム扱いされやすい

といった変更が行われることも多く、その影響でフォームの返信メールが届かなくなるケースがあります。

✔ チェック方法

  • Google Workspace ステータスダッシュボードで障害状況を確認
  • Gmailの仕様変更のお知らせを確認
  • Twitter(X)やGoogle関連掲示板で情報発信をチェック
  • 海外ユーザーのフォーラムも有効(同時多発の報告が多い)

2. Googleサーバーの一時的な障害による不達

Googleサービスは世界規模で運用されていますが、ごくまれに次の障害が発生します。

  • Gmailの送受信障害
  • Apps Scriptの実行障害
  • Webhook/APIの遅延
  • フォームの回答反映遅延

このような場合、

  • メールが遅れて届く
  • 一部のメールだけ届かない
  • そもそもGASが動作しない
  • トリガーの実行そのものが止まる

などの挙動が起こることがあります。

✔ 確認ポイント

  • Apps Scriptの実行ログにエラーはないのに動いていない
  • Gmail が普段より遅延している
  • 他のユーザーも同じ不具合を報告している

これらが当てはまる場合、Google側の一時的な問題の可能性が高いです。

3. 数時間〜1日で自然に復旧することが多い

Google側の障害・遅延の場合、
ユーザーが修正できる問題ではないため、

✔ 数時間〜24時間程度で自然に復旧する

ことが一般的です。

実際、過去の事例では:

  • Gmailの大規模障害で自動メールが遅延
  • GASトリガーが全ユーザーで動かなくなる
  • スプレッドシートの反映が数分遅れる

などのトラブルが 世界的に発生したことが複数回 あります。

4. Google側の障害が疑われるときの対応

ユーザー側ができることは次のとおりです。

✔ ① ステータスダッシュボードを確認

Googleの公式ページで、障害中か確認できます。

✔ ② GASの「再認証」を試す

トリガー無効化等の軽い障害なら改善することがあります。

✔ ③ 時間を置いて再テスト

数時間後にフォーム回答を流して確認する。

✔ ④ 別アカウントでテスト送信

アカウント単体の問題か切り分けできる。

✔ ⑤ 代替手段を一時的に利用

どうしても当日内で必要な場合:

  • フォームの通知メール(Google標準機能)を一時採用
  • 外部メールサービス(SendGrid等)の使用
  • 予約・問い合わせフォームを一時的に別サービスへ切り替え

5. 仕様変更・Google障害は“設定が正しいのに届かない”ときに疑う

以下のような状況なら、Google側の問題である可能性が高いです。

  • 設定は正しいのに突然届かなくなった
  • 昨日まで動作していたコードが急にエラーに
  • 他のフォームも同時にメールが届かない
  • トリガー実行ログが正常なのに送信されない
  • SNSで同じ不具合報告が増えている

この場合、ユーザーが何をしても改善しないことがあります。

まとめ:GASやフォームの不達はGoogle側の障害も疑うべき

Googleフォームの自動返信メールは便利ですが、Google側の仕様変更や一時障害が原因で届かないことがあります。

  • 仕様変更 → スパム判定・送信ルールの変更が影響
  • 一時障害 → GASトリガー・Gmail遅延などが原因
  • 数時間〜1日で復旧するケースが多い

他の原因すべてを確認して問題がなければ、Google側の障害を疑うのが正しい判断です。

原因⑥:ネットワーク・端末側の問題

Googleフォーム自体や設定に問題がなくても、回答者自身のネットワーク環境や使用端末の状態が原因で、自動返信メールが届かないケースがあります。
特にスマホ利用者が多い場合は、この影響も大きくなります。

よくあるケース

① 電波状況が悪く、送受信が遅延している

  • 公共 Wi-Fi を利用している
  • 圏外・電波が弱い
  • VPN を使用している

などの状態だと、メールが一度サーバー側で保留され、届くまで時間がかかることがあります。

② メールアプリがバックグラウンドで停止している(スマホ)

  • iPhoneの「低電力モード」でメールアプリが同期されていない
  • Androidの省電力設定でアプリがバックグラウンド停止
  • メールアプリの「自動同期」がオフ

リアルタイムでメールが届かず、「届かない」と勘違いされやすいポイントです。

③ 端末のストレージ容量不足

スマートフォンの容量が上限に達すると

  • メール受信が停止
  • 古いメールが削除される

などのトラブルにつながることがあります。

④ メールアプリのキャッシュ破損・古いバージョン

  • Gmailアプリのキャッシュ破損
  • メールアプリのバージョンが古い
  • OSが古く、同期が不安定

これらもメールの受信を妨げることがあります。

改善策(回答者向けに案内できる内容)

Googleフォーム運用者として、問い合わせ時に以下を案内すると解決率が高まります。

  • 電波の良い場所で確認してもらう
  • Wi-Fi/モバイルデータ通信を切り替えて試してもらう
  • 端末を再起動してもらう
  • Gmailアプリのキャッシュを削除
  • メールアプリが最新か確認してもらう
  • 受信フォルダの容量を確保
  • 省電力モードの解除・自動同期のオン確認

記事のまとめ

Googleフォームの自動返信メールが届かない原因は、大きく分けて 6つ に分類できます。

  1. Googleフォーム側の設定ミス
    • 「回答のコピーを送信」設定がオフ
    • メールアドレス収集の未設定
    • アドオンの設定漏れ・権限不足
  2. 回答者のメールアドレス入力ミス
    • 全角/半角ミス
    • @抜け
    • スペル間違い
      といった単純な入力ミスが最も多い原因。
  3. メールサービス側の受信ブロックや迷惑メール振り分け
    • Gmail、iCloud、キャリアメールなどのフィルタ設定によってブロックされるケース。
  4. GAS(Google Apps Script)のエラー
    • トリガー未設定
    • コードの記述ミスや権限不足
    • GAS制限(Rate Limit)に引っかかる
  5. Google側の仕様変更・一時的な障害
    • Googleサービスの障害
    • API仕様変更
      これらは利用者側では対処できないが、ステータスページで確認可能。
  6. ネットワーク・端末側の問題
    • 回答者が電波の悪い環境でメール受信できていない
    • 端末の容量不足
    • メールアプリの同期オフ、バックグラウンド停止
      など意外と多い原因。

最終的な結論

自動返信メールが届かない原因は Googleフォームの設定ミスだけではなくメールアドレスの入力間違い・端末側の通信環境・GASの不具合など外部要因も大きい ということです。

特にユーザーが多いフォームほど、複合的な理由で「届かない」が発生しやすくなります。
この記事で紹介したチェックリストを使えば、ほとんどの問題を短時間で解決できるはずです。

この記事を書いた人
管理人

2012年にWebデザインの勉強を始め、2013年より制作会社に勤務。
これまでに500件以上のWebサイト制作・運用に携わってきました。
現在も制作会社に勤務しながら、Webデザインスクールのトレーナーとしても後進の育成に取り組んでいます。
WordPressやデザインの実践的なノウハウを、初心者にもわかりやすく発信できるよう試行錯誤しています。

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