WEBデザインスクールは無駄なのか?と不安に感じている方へ。
現役講師の立場から、実態と後悔しない学び方をお伝えします。
なぜWEBデザインスクールが無駄だったと感じる人がいるのか?
WEBデザインスクールに通った多くの人が「通ってよかった」と感じる一方で、中には「時間とお金を無駄にした」と感じてしまう人もいます。
その理由は、いくつかの共通するパターンに分けられます。
スクールに過剰な期待をしている
「スクールを卒業すれば、すぐにWEBデザイナーとして就職できる」と思っている人は意外と多いですが、これは大きな誤解です。
スクールは“基礎を学ぶ場所”であり、“お金をもらえるスキル”を身につけるには、その後の練習や実践が不可欠です。
実際、トレーナーとして多くの受講生を見てきましたが、日々手を動かして作品を作り続ける人と、課題だけで満足してしまう人では、卒業時のスキルに大きな差が出ます。
自分の目的とスクールの内容が合っていない
「自分はアート作品のようなデザインがしたい」と考えてスクールに入ったものの、商業デザイン中心のカリキュラムにギャップを感じてしまう人もいます。
WEBデザインは、クライアントの目的達成やユーザーの使いやすさを第一に考える“ビジネス寄りのデザイン”が基本です。
アートと商業デザインを混同していると、「思っていた内容と違った」「自分には合わない」と感じてしまい、結果的にモチベーションが下がってしまうこともあります。
現場のレベルとギャップを感じてしまう
スクールでは、卒業制作としてオリジナルのWebサイトを作成する機会がありますが、現場で必要とされるスキルはそれだけでは足りません。
HTML/CSSだけでなく、サーバー、ドメイン、WordPress、JavaScript、SEO、マーケティング、運用など、実際に仕事をするには幅広い知識が求められます。
「スクールで学んだだけでは全然足りなかった…」という声も多く、卒業後にギャップを感じてしまうのも、“損した”と感じる一因かもしれません。
このようなギャップを埋めるには、スクール選びの段階から「自分の目的」を明確にすることが重要です。
次に、そのための具体的なチェックポイントを紹介します。
スクール選びで失敗しないためのチェックポイント
WEBデザインスクールはどこも同じではありません。
カリキュラムの内容やサポート体制、講師の質、卒業後の進路サポートまで、スクールごとに大きな違いがあります。
自分に合ったスクールを選ばないと、「思っていたのと違った」「全然スキルが身につかなかった」と後悔することになりかねません。
値段や補助金の有無だけで選ぶと、WEBデザイナーとしてのスタートダッシュが遅れてしまいます。
ここでは、スクール選びで失敗しないためにチェックすべきポイントを紹介します。
学べる内容と自分の目的が一致しているか?
まず確認すべきは、「自分の目的に合った学びができるかどうか」です。
例えば、「副業でバナー制作をしたい」人と、「正社員でWEB制作会社に就職したい」人とでは、必要なスキルがまったく異なります。
トレーナーとして感じるのは、「目的があいまいなまま入学してしまう人ほど、目的を見失って挫折してしまう」ということです。
入学前に「自分は何のために学ぶのか?」をはっきりさせておきましょう。
現場経験のある講師が教えてくれるか?
講師が「現役のデザイナー・コーダー」であるかどうかも重要なポイントです。
実務経験のない講師や、昔の情報で教えている講師では、現在の現場で通用するスキルが学びづらくなります。
WEBデザイナーといってもピンキリなので、どんな経験があって現役でどういった仕事をしている人なのかも可能であれば確認しましょう!
実際、現場経験のある講師からは「最新のトレンド」や「実際のクライアントとのやりとり」など、教科書では学べないリアルな知識が得られます。
卒業後のサポートが充実しているか?
スクールの本当の価値は、卒業後に発揮されます。
ポートフォリオの添削や履歴書・職務経歴書のサポート、案件の紹介など、就職やフリーランスとして活動するための支援が用意されているかを必ず確認しましょう。
私がトレーナーをしているスクールでも、一定レベルに達した受講生には実案件を紹介したり、仕事のサポートを行う体制があります。
卒業後の“出口”を支えてくれるかどうかは、スクール選びの大きな判断材料になります。
WEBデザインスクールで時間とお金を無駄にしないためにやるべきこと
スクールに通う以上、かける学費も時間も少なくありません。
だからこそ、ただ受け身で授業を受けるだけでは「コスパが悪い学び方」になってしまいます。
ここでは、トレーナーとして多くの受講生を見てきた経験から、「成果を出す人に共通する行動」をお伝えします。
成果を出す人に共通する行動
とにかく作品をたくさん作る
一番大事なのは、量をこなすこと。
課題提出だけでは練習量が足りません。講義外でも自主的にバナー、LP、サイトなどをどんどん作っていく人は、確実にスキルが上達し、ポートフォリオの質も高まります。
実際にフリーランスとして案件獲得した卒業生の多くは、卒業後にクラウドソーシングのコンペに参加するなど、とにかく作品を作り続けていました。
自分で調べてから質問する(でも、遠慮せずにどんどん聞こう)
わからないことが出てきたとき、まずは自分で調べてみることが大切です。
検索することで知識が定着しやすくなり、問題解決力も身につきます。
これは現場で働く際に非常に重要なスキルです。
ただし、とにかく自力で解決しようとして時間ばかり浪費するのは逆効果。
「ある程度調べたけど、どうしても分からない」という時は、すぐに質問してOKです。
実際、スクールという環境は「質問できる特権」がある場です。
現役トレーナーとしても、受講生には「遠慮せず、どんどん聞いてほしい」と常に伝えています。
「とりあえず聞く」ことも、効率よく学習を進める上では非常に有効です。
特に初心者のうちは、質問することで理解が深まり、「なぜそうなるのか?」が分かるようになります。
大切なのは、調べるクセをつけつつ、質問できる環境にいる間はしっかり活用するというバランスです。
SNSでアウトプット&案件獲得に挑戦する
最近では、SNS(特にXやInstagram)を活用して案件を得る卒業生も増えています。
自分の作品をSNSに投稿したり、ポートフォリオサイトを発信することで、思わぬ仕事のチャンスが舞い込むこともあります。
実際、SNS経由でデザインの相談が入り、実案件につながった例も。
スクール在学中からでもチャレンジできます。
スクールの講師・添削サービスをフル活用する
ポートフォリオや書類の添削など、スクール側が提供しているサポートは全部使い倒す気持ちでいましょう。
添削やアドバイスを通じて、自分のスキルや改善点が客観的に分かるようになります。
また、一定レベルに達していれば、スクール側から仕事を振ってもらえる可能性もあります。
スクールを「無駄にしない」人の共通点とは?
受け身ではなく、作品を作り続ける
スクールに通うだけで満足してしまう人は、どうしても伸び悩んでしまいます。
私が実際に見てきた「伸びる人」は、課題の提出だけでなく、講義外でもどんどん作品を作っていました。
「何を作ったらいいかわからない」という人は、まずは過去の課題をブラッシュアップしたり、模写でも構いません。
とにかく“手を動かすこと”が、成長の第一歩です。
ポートフォリオは完成させて当然
スクールを卒業しても、ポートフォリオが未完成のままという人も少なくありません。
しかし、採用担当やクライアントにとって、ポートフォリオは「その人の実力を図る唯一の材料」です。
ポートフォリオに載せる作品がない=現場経験がない、と判断されてしまう可能性もあるため、「最低でも5作品以上」は意識して仕上げるようにしましょう。
案件を通じて初めて気づく学びがある
スクールの中だけでは得られない“リアルな学び”も多くあります。
たとえば就職を早く決めた受講生は、卒業後にクラウドソーシングのコンペに挑戦し、トップページデザインを4つほど作成しました。
その中で、納期の調整やクライアントの修正対応、要望のヒアリングを通して、デザインの「目的」や「方向性の落としどころ」を探る力がついたと感じています。
実案件は、知識を実力に変える最適なフィールドです。
スクール後に挑戦したい3つの実践経験
トップページデザインの量産で構成力を磨く
コンペで複数のトップページデザインを提案する中で、ユーザーの視線の流れやファーストビューの魅せ方、各セクションの配置など、構成に関する感覚が研ぎ澄まされていきました。
「なぜこの配置にするのか?」「どんな導線にしたいのか?」といった設計思考は、現場で本当に求められる力のひとつです。
クライアントとのやりとりで現場感覚を学ぶ
実際のやりとりの中では、「言われたとおりに作る」だけではなく、「その意図は何か?」を汲み取り、場合によっては代替案を提案することもありました。
「納期が厳しい中でどう仕上げるか」「修正が曖昧なときにどう聞き返すか」など、スクールでは学びきれない部分こそが、現場対応力につながっていると実感しています。
WordPress案件で「サーバーや分析ツール」にも挑戦
スクールでは触れにくい「サーバー契約」や「ドメイン設定」、WordPressのテーマ編集、GA4・サーチコンソールの連携なども、出来る限り自分で調べながら取り組みましょう。
スクールによっては、卒業後もサポートしてくれます。
この経験を通じて、単にデザインを納品するだけではなく、「成果を出すサイト運営」に近づけていきましょう。
通って無駄じゃなかった人・無駄だったと感じる人の特徴とは?
WEBデザインスクールに通ったからといって、全員が同じように成長できるわけではありません。
同じカリキュラムを受けても、大きく成長する人と、ほとんどスキルが伸びないまま終わってしまう人に分かれます。
現役トレーナーの立場から、これまで多くの受講生を見てきた中で感じた「伸びる人」「損する人」の特徴を紹介します。
無駄じゃなかった人の特徴
1.素直で謙虚に学べる人
指摘やアドバイスを素直に受け取り、改善にすぐ活かせる人は伸びます。
「聞く耳を持つ」「自分のスキルを過信しない」ことは、学習を加速させる一番のポイントです。
2.自分で作品を作り続ける人
授業の課題だけで満足せず、自主的に作品づくりを継続する人は、圧倒的に成長します。
アウトプットの量は、そのままスキルアップの速度に直結します。
3.SNSや外部に向けて発信する人
自分のポートフォリオや作品をSNSに投稿することで、実案件のきっかけになることも。
自分を「見せる努力」をしている人は、チャンスをつかみやすくなります。
4.調べて、質問して、吸収する人
「調べてみる → 分からないところを質問する → 即改善」ができる人は、現場に近い思考で学べています。
スクールは質問できる環境なので、活用しない手はありません。
無駄だったと感じる人の特徴
1.スクールに通うだけで就職できると思っている
「卒業=即就職」というのは誤解です。
実際に働くには、お金をもらえるレベルのスキルや提案力が必要。
卒業はあくまでスタートラインに過ぎません。
2.アートと商業デザインを混同している
デザイン=自分の表現だと思い込んでしまう人は、WEBデザインの本質とズレてしまいます。
WEBデザインは「ユーザー目線の設計」であり、自己表現ではありません。
この誤解に早く気づくことが大切です。
3.十分な時間を確保できない
学習時間が取れず、「今日は復習できなかった」「課題も後回し」という状態が続くと、スキルは伸びません。
学習期間中は、本気で時間を確保する覚悟が必要です。
4.ある程度できるようになった時点で満足してしまう
「もうこれで大丈夫」と安心してしまうと、スキルの伸びは止まります。
特にWEB業界は常にアップデートされるので、学び続ける姿勢がないと、すぐに置いていかれます。
独学でもいける?スクールに通うメリットとは
「WEBデザインって、独学でもできるのでは?」
これはよくある疑問ですし、実際に独学で成功している人もいます。
しかし、トレーナーとして多くの受講生を見てきた中で感じるのは、スクールに通うことで得られる“近道”が確かに存在するということです。
独学でも成功する人はいる
実際に、卒業後にフリーランスや制作会社に就職した人の中には、「この人は独学でもいけたかもしれないな」と感じる方もいます。
高いモチベーションと行動力、リサーチ力がある人は、独学でも着実にスキルを身につけていけるでしょう。
ただし、それができるのは一握り。時間もかかりますし、方向性を間違えて遠回りするリスクもあります。
スクールに通う最大のメリットは「近道できる」こと
スクールに通う最大の価値は、圧倒的な「時短」と「効率」にあります。
わからないことはすぐに質問でき、プロからのフィードバックも受けられる。自分では気づけない課題や癖にも早く気づけます。
また、現場経験のある講師から「実際の仕事の流れ」や「クライアントとのやりとりの注意点」など、リアルな情報を聞ける環境は、独学にはない強みです。
自分の現在地がわかる安心感
独学だと、自分のレベルが正しいのか、就職できるレベルに達しているのかが分かりづらく、不安になりがちです。
その点、スクールではポートフォリオの添削や就職相談、フィードバックがあるので、「何が足りていないのか」が明確になりやすいのも大きなメリットです。
成功している人ほど「通ってよかった」と言う
特に、フリーランスで活躍している人ほど「スクールに通ったことで近道できた」と話してくれます。
学習効率や講師からの実践的なアドバイス、就職サポートなど、自己流では得られない環境に価値を感じている人が多いのです。
WEBデザインスクールを無駄にしないために必要な心構え
WEBデザインスクールは、正しく活用すれば大きな成長が見込める学びの場です。
しかし、「通ったのに思っていた結果が出なかった…」と後悔する人もいるのが現実。
損をしないためには、受け身ではなく“自ら動く姿勢”が不可欠です。
以下のような心構えを持っている人は、スクールを最大限に活かせます。
1.「教えてもらう」ではなく「取りに行く」姿勢で
受講料を払っているからといって、全てを講師任せにするのはNGです。
伸びる人は、「もっと良くするには?」「このやり方で合ってる?」と、常に自分から質問しに来ます。
「どう学ぶか」を考える姿勢が、学習の質を大きく左右します。
2.完璧じゃなくても「とにかく作品を作る」
「まだ勉強中だから…」と手を止めてしまうのはもったいないです。
実践しながら覚えることこそ、現場では重要です。
失敗してもいいので、どんどん作品を作り、講師に見せてフィードバックをもらいましょう。
3.素直さと謙虚さを忘れない
人からの意見や指摘をすぐに取り入れられる人は、成長スピードが速いです。
とくにWEB業界では、他人の意見を冷静に受け止めて改善する力が必須です。
謙虚な姿勢と「もっと上手くなりたい」という気持ちがあるかどうかが、将来に大きな差を生みます。
4.学び続ける覚悟を持つ
スクールはゴールではありません。むしろ、スタート地点に立ったに過ぎません。
WEB業界は日々進化するため、卒業後も常に新しい知識や技術を吸収し続けることが求められます。
「卒業後も学び続ける」意識を持てるかどうかが、プロとして活躍できるかの分かれ道になります。
まとめ
WEBデザインスクールは、「時間とお金を投資するだけの価値があるのか?」と不安に思う方も多いかもしれません。
でも、正しい心構えと積極的な姿勢があれば、スクールは確実にあなたの力になるはずです。
私自身、これまで多くの受講生と関わってきました。
本気で取り組んだ人たちは、確実にステップアップし、自分の道を切り拓いていきました。
スクールは誰でもWEBデザイナーになれる“魔法の場所”ではありませんが、努力するあなたを全力で支えてくれる環境です。
ぜひ、自分自身の行動でスクールを「意味ある時間」に変えてください。