hostsファイルを書き換えたのに新サーバーが表示されない…。
そんなときは、設定ミスだけでなく、OSやブラウザのキャッシュ、DNS設定など複数の要因が関係している可能性があります。
この記事では、hostsファイルが反映されないときに確認すべきチェック項目と、正しい反映確認方法をわかりやすく解説します。
hostsファイルの書き換えが反映されない主な原因
hostsファイルを書き換えたのに新サーバーが表示されない場合、いくつかの原因が考えられます。
よくあるパターンを順に確認していきましょう。
1.hostsファイルの書き換え場所が間違っている
まず最も多いのが「正しいファイルを編集できていない」ケースです。
Windows・Macでhostsファイルの場所が異なるため、環境ごとに確認しましょう。
- Windowsの場合
C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts
- Macの場合
/etc/hosts
拡張子が付いていないため、「hosts.txt」など別名で保存してしまうと無効になります。
メモ帳などで保存する際は「ファイルの種類」をすべてのファイル(.)にして、「hosts」として保存してください。
2.管理者権限で保存していない
Windowsの場合、hostsファイルを編集するには管理者権限が必要です。
通常のメモ帳で開くと上書き保存できず、変更が反映されません。
- 「メモ帳」を右クリック → 「管理者として実行」
- ファイル → 開く →
C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts
- 変更後に保存
Macの場合は「sudo nano /etc/hosts」など、管理者権限(sudo)付きで開いて編集する必要があります。
3.IPアドレスやドメインの指定ミス
記述ミスも非常に多い原因の一つです。
例えば、以下のように記述するのが正しい形式です。
123.45.67.89 example.com
123.45.67.89 www.example.com
- IPアドレスとドメインの間は半角スペースで区切る
- wwwあり・なし両方を指定する(必要に応じて)
- コメントアウト(#)が先頭に残っていないか確認
4.DNSキャッシュが残っている
hostsファイルを更新しても、パソコンやブラウザが古いDNS情報をキャッシュしていると新しい設定が反映されません。
キャッシュをクリアして再読み込みしましょう。
Windowsでのキャッシュクリア手順
- コマンドプロンプトを管理者として開く
スタートメニューで「cmd」と入力 → 「管理者として実行」をクリック。 - 以下のコマンドを入力して Enter:
- 「DNS リゾルバー キャッシュは正常にフラッシュされました」と表示されれば成功です。
ipconfig /flushdns
Macでのキャッシュクリア手順
- ターミナルを開く(アプリケーション → ユーティリティ → ターミナル)
- 以下のコマンドを入力し、パスワードを求められたらMacのログインパスワードを入力します。
- これでDNSキャッシュがクリアされ、新しいhosts設定が読み込まれます。
sudo dscacheutil -flushcache
sudo killall -HUP mDNSResponder
ブラウザのキャッシュクリアも有効
DNSキャッシュ以外に、ブラウザ側のキャッシュ(画像やHTMLの一時保存)が原因で旧サーバーが表示されることもあります。
以下の方法で一時ファイルもリセットしましょう。
シークレットウィンドウで確認
Ctrl+Shift+N(Macは⌘+Shift+N)でシークレットモードを開き、ドメインを直接入力して確認します。
→ キャッシュを使わないため、hosts変更の反映確認に最も確実です。
Chromeの場合
右上の「︙」→「設定」
「プライバシーとセキュリティ」→「閲覧履歴データの削除」
「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れて削除
このように、OSのDNSキャッシュ+ブラウザキャッシュを両方クリアすることで、hostsファイルの変更が確実に反映されます。
5.IPv6設定の影響
hostsファイルの設定は、基本的に「IPv4(例:123.45.67.89)」で動作します。
ただし、パソコンがIPv6を優先して通信している場合、hostsの設定が無視されてしまうことがあります。
この場合は、以下のような対処で解決することが多いです。
- 一時的にIPv6を無効化して確認してみる
- もしくは、新サーバー側のIPv6(AAAAレコード)を正しく設定してもらう
「IPv6をオフにする」操作はOSによって異なり、少し専門的な手順になります。
もし他の方法(キャッシュクリアや記述ミス修正)を試しても反映されない場合は、一度ネットワーク管理者やサーバー担当者に相談するのがおすすめです。
6. 編集後にファイルを保存していない・再起動していない
意外と多いのが、hostsファイルを編集して保存を忘れた、または再読み込みが行われていないケースです。
編集後は必ず保存を確認し、ブラウザを再起動してアクセスしてみましょう。
必要であればPC自体の再起動も試してください。
それでも反映されないときの最終確認ポイント
ここまでの手順を試しても新サーバーが表示されない場合は、次のポイントを順に確認してみましょう。
どれも見落としやすい部分です。
別のネットワークで試してみる
会社やVPN経由のネットワークでは、独自のDNS設定によりhostsが無視されることがあります。
スマホのテザリングや別のWi-Fiに切り替えてアクセスし、結果を比較してみてください。
セキュリティーソフトを一時的にオフにする
セキュリティーソフトが影響している可能性もあります。
一時的にオフにして確認してみましょう。
まとめ:hostsファイルが反映されないときは落ち着いて一つずつ確認しよう
hostsファイルの書き換えは、サーバー移転時に「新サーバーの動作確認」をする便利な方法ですが、反映されないときは焦らずに原因を切り分けていきましょう。
まずは キャッシュのクリア(ブラウザ・DNS・PC再起動)を試し、それでもダメなら 書き換えミスやIPv6設定の影響を確認します。IPv6が複雑に感じる場合は、一時的に無効化せず、IPv4の記述を優先する形で対応するのもおすすめです。
最終的に、 管理者権限で保存されているか、ファイルの場所が正しいか、セキュリティソフトの影響がないか を見直すことで、ほとんどのケースは解決できます。
hostsファイルを正しく使えば、サーバー移転前にサイトの挙動を安全に確認でき、リリース後のトラブルも防げます。慣れないうちは少し手間に感じるかもしれませんが、落ち着いて一つずつチェックすれば必ず原因にたどり着けます。
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