なぜWordPressのメディアライブラリには一括登録が必要なのか?
WordPressでは、画像やPDFなどのファイルは「メディアライブラリ」に登録されて初めて、投稿や固定ページで使用できるようになります。
通常、管理画面から1つずつファイルをアップロードして登録する仕組みになっていますが、大量のファイルを扱う場合には非効率で手間がかかるという課題があります。
特に以下のようなケースでは、一括登録のニーズが高まります。
複数画像を手動でアップロードするのは大変
例えば、ECサイトで数十〜数百の商品画像を追加したい場合、1枚ずつアップロードしていては非常に時間がかかります。
同様に、ギャラリー系サイトや写真ブログなどでも、効率よくファイルを登録したいというニーズは高いです。
FTPで大量のファイルをまとめてアップした後に登録作業が必要
FTPソフトを使えば、まとめてファイルを/wp-content/uploads/
以下にアップロードできますが、アップロードしただけではメディアライブラリに反映されません。
WordPressがメディアとして認識するには、「データベースへの登録」という処理が必要です。
時間短縮・作業効率化に直結する
メディアライブラリに一括登録できれば、制作フローがスムーズになり、納期短縮や作業効率アップに大きく貢献します。
特に案件の多いWeb制作現場や、自社で商品管理をする担当者にとっては、非常にありがたい機能といえます。
FTPで一括アップロードする際の注意点
WordPressで大量の画像やファイルを扱う場合、FTPソフト(FileZillaやWinSCPなど)を使って、一気にアップロードするのは非常に効率的です。
ただし、単純にファイルをアップするだけでは、WordPressのメディアライブラリには表示されません。
それにはいくつか注意すべきポイントがあります。
1. アップロード先ディレクトリを正しく選ぶ
WordPressでは、メディアファイルは通常以下のディレクトリに保存されます。
/wp-content/uploads/年/月/
たとえば、2025年7月に使う画像なら
/wp-content/uploads/2025/07/
この構成に従ってアップロードしないと、自動登録系のプラグインが正しく読み取れないことがあります。
可能な限り、年月ごとのフォルダにアップしましょう。
2. ファイル名の文字に注意
ファイル名に日本語やスペース、特殊文字(例:&、%など)が含まれていると、読み込みエラーの原因になることがあります。
ファイル名はできるだけ半角英数字で統一しましょう。
例:
- 避けたほうがいい:商品画像1.png
- 推奨:shouhin-image-1.png
3. 既存ファイルとの重複に注意
すでに同じ名前のファイルがメディアライブラリに存在する場合、上書きされるわけではなく、認識されないこともあります。
アップロード前にファイル名の重複がないか確認しておきましょう。
4. FTPアップロードだけでは「使えない」状態
繰り返しになりますが、FTPでアップロードしただけではWordPressのメディアライブラリには登録されず、投稿画面などから選択できません。
この状態を解消するには、メディア一括登録プラグインなどを活用して、データベースへの登録を行う必要があります。
メディア登録を補助する初心者にもおすすめなMedia Sync

Media Syncは、FTPなどでアップロードした画像やファイルを、WordPressのメディアライブラリに一括登録できるプラグインです。シンプルで直感的なインターフェースが特徴で、初心者にも扱いやすい設計になっています。
- 管理画面から操作可能で、見やすいUI
- 指定フォルダをスキャンし、未登録のファイルをリスト表示
- 登録前にサムネイル付きで確認可能
- 一括または個別に登録可能
- すでに登録済みのファイルは自動的に除外
基本的な使い方
- 「Media Sync」をインストール・有効化
- 管理画面の「メディア」→「Media Sync」にアクセス
- スキャン対象のフォルダ(例:
/wp-content/uploads
)を選択 - 未登録ファイルが表示されたら、登録したいものを選択
- 「Import Selected」をクリックしてメディアライブラリに登録完了!
補足:
wp-content/uploads
直下でファイル管理している場合に特に使いやすいです。
カスタムフォルダへの対応は一部制限があるので、必要に応じて事前にフォルダ構成を調整しましょう。
- UIの使いやすさでは「Media Sync」
- より詳細なフォルダ指定や高度な設定が必要な場合は「Media from FTP」がおすすめです。
Media Syncを使ってメディアライブラリに一括登録する手順【実例付き】
ここでは、Media Syncプラグインを使用して、FTPなどでアップロードしたファイルをWordPressのメディアライブラリに一括登録する手順を実例付きで紹介します。
手順1:Media Syncをインストール・有効化
- WordPress管理画面にログイン
- 「プラグイン」→「新規追加」
- 「Media Sync」と検索し、「今すぐインストール」→「有効化」
手順2:FTPでファイルをアップロードしておく
- FTPソフトなどを使って、画像やPDFなどを
/wp-content/uploads
配下にアップロードしておきます。 - 例えば
wp-content/uploads/2025/07/
など、年月ごとのフォルダを作っておくと管理しやすいです。
手順3:Media Syncで未登録ファイルをスキャン

- 管理画面で「メディア」→「Media Sync」にアクセス
- 「Scan Files」ボタンをクリック
→ WordPressにまだ登録されていないファイルが一覧表示されます。
手順4:登録したいフォルダを選択して「Import Selected」

- 一括選択する場合は「全て選択」にチェック
- 最後に「Import Selected」ボタンを押せば、メディアライブラリへの登録が完了!
補足:登録後は通常のメディアファイルとして使用可能
- 投稿・固定ページの「メディアを追加」から利用できるようになります。
- サムネイル生成も自動的に行われるため、画像関連のトラブルもほとんどありません。
Media Syncを使うときの注意点とトラブル対処法
Media Syncは便利なプラグインですが、使い方を誤ると意図しない挙動やトラブルが発生することもあります。
ここでは、よくある注意点とその対処法を解説します。
注意点①:ファイルパスは「uploads」配下のみを指定すること
誤ったパス指定をするとファイルが検出されないことがあります。
例:/wp-content/uploads
ではなく /uploads
などと書くとファイルが見つかりません。
正しい例:wp-content/uploads
(※スラッシュ「/」は不要)
注意点②:すでに登録されているファイルは再インポートできない
Media Syncではすでにメディアライブラリに存在しているファイルは表示されません。
重複して登録したい場合は、別名で再アップロードする必要があります。
注意点③:画像がサムネイル表示されないことがある
サーバー設定やGDライブラリが原因で、サムネイル画像が生成されないことがあります。
- テーマ側で
add_theme_support( 'post-thumbnails' );
が有効になっているか確認 - サーバーのPHP設定で
GDライブラリ
やImagick
が有効になっているか確認 - 「Regenerate Thumbnails」などのプラグインを使って再生成する
注意点④:PDFや動画などの非画像ファイルは表示されないことがある
Media Syncの画面で画像以外のファイル(PDF・MP4など)はプレビューされないため、どのファイルか分かりにくいことがあります。
対策:ファイル名にわかりやすい名前を付ける、または画像フォルダと非画像フォルダを分けて管理する
注意点⑤:大量インポート時はサーバー負荷に注意
数百件〜数千件の一括登録を行うと、一時的にサーバーが重くなることがあります。
特に共有サーバーを使っている場合は注意が必要です。
- 一度に登録する件数を少なめに設定
- 時間帯を選んでインポート(アクセスが少ない深夜など)
まとめ:Media Syncで効率よくメディア一括登録を行おう
Media Syncを活用すれば、FTPでアップロードしたメディアファイルも簡単にメディアライブラリへ一括登録できます。
ただし、パスの指定ミスや登録済みファイルの扱いには注意が必要です。
ポイントを押さえれば、手間を大幅に減らしてスムーズにメディア管理が行えるようになります。
特に画像素材やPDF資料などを頻繁に扱うWebサイトでは、Media Syncの導入が強くおすすめです。
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